一部のホームスクーリングの家庭は、効率と同じようなカリキュラムを進めていますが、
多くのホームスクーラーは部分的に学校教育のようにシステム化された勉強を、また部分的には興味をもったことに対する勉強、という折衷案的な方法を採っています。
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◆世界におけるホームスクーリングの立場
宗教的な理由から、ホームスクーリングが行われていた時代や地域もあるでしょうが、日本でホームスクールを選択するとしたら、ほぼ宗教的な要素が絡むことはありません。
海外のサイトやテキストを利用したい場合は、ホームスクーリングの姿勢(自分たちで勉強するものを選択できる)から、宗教的なものを選択しないという決定をすればいいだけのことです。
アメリカや、カナダ全域でホームスクーリングは合法となっています。オーストラリアやニュージーランドでも広がりを見せつつあります。しかし、それぞれの地域に独自の法があるので、自分の住む地域の情報を入手したり、コミュニティを探す必要があります。
◆ホームスクーリングに費用はかかる?
一般的に、ホームスクールにかかる費用は、公立より少なく私立より高いといわれています。しかし、図書館、博物館、インターネット、手作り教材などの公共のリソースを使って、実質無料でホームスクールをすることは可能です。
パッケージ化された、ホームスクールのカリキュラムを提供している会社のものに申し込むと費用はかさみます。
運動の代わりに、と習い事もさせたいことを考えれば、このような会社のホームスクーリングサービスを利用できるのは、
一定期間のみとするか(受験用に、など)、余裕のある家でなかれば無理かもしれません。
ただ、「学校」という枠に入ってしまえば、授業料はこちらでは変えられませんが、ホームスクールでは
自分でコストを選べる
という利点はあります。高品質の教育を(手間を惜しまなければ)コストを自分でコントロールしてできる。(何にかけるか、何を削るか)
経済格差で、受けられる教育の質が決まってしまう現代、自分たちでよい教育を見つけて経済に影響されないという点では、ある意味平等な教育なのかもしれません。
◆ホームスクールの良い点、悪い点
<長所>
生活しながら、社会・世界を学ぶことができます。また、個人のニーズ、性格、興味に合致した教育を受けることができます。
<短所>
ホームスクールを続けるということは、家族の大人がだれか常に「教える側の人」として、家にいる必要が出てきます。
必然的に、フルタイムの仕事をするわけにもいかず、通常、収入をあきらめることでしか、満足のいくホームスクーリングを続けられないという点があります。
また、家事や家でのスケジュールに区切りがないため煩雑になる可能性があります。
その他、学校へ行っていないことへの社会からの批判などがあります。
◆社会性に影響しちゃうんじゃないか?という世間の心配
学校へ行っていないと話すと、ほとんどの場合心配されるのが、社会性が低くなってしまうのでは?ということ。
実際の研究では、ホームスクーリングを選んでいる場合、仲間への依存度が低く、同じ年代の子との交流は少なかったにしろ、性別・年齢・興味の違いを気にせず交流するという結果が出ているということです。(海外でのホームスクーリングに関する調査の結果)
◆ホームスクールでは大学などの進学できる学力をつけられない?
独立した思考能力、創造性、自己管理力、受験のための準備にかけられる時間が多い、など能力的には平均を上回っていることが多いようです。
ある年のスタンフォード大学の入試では、ホームスクーラーの合格率は、普通の学生の2倍であったそうです。
◆学校へ行かない子供は、実社会に出たときやっていける?
多くの親が心配することです。しかし、学校で社会に出たときのために何かやっていることはあるでしょうか。同じ年齢の子とのみの交流で、現実社会は「教科書」で触れ、6時間以上を教室の中で過ごします。
一方、ホームスクーラーは社会の中で勉強していかなくてはならず、異年齢の人たちとも交流しなくてはならず、実際の社会と近い状態で、学生時代を送ることができます。
~どこの国でも、学校へ行かないことの将来への不安、疑問は同じのようです。少しずつ日本で使える情報をご紹介していきたいと思います。~