学校のシステムが破たんしかけていて、社会経験も乏しい教員がITやグローバルなど専門外のことまで教えなくてはならない時代に不登校・ホームスクーリングが増えるのは当たり前のことだと思っています。
アクティブラーニングやサドベリーなど、こどもの自主性や意見をメインにする動きも活発です。でも、そこは完全自由、自主性とは違うと思っています。
こどもはこどもである権利がある。自由というのは責任を伴う。子ども扱いしないことは大事だけれど、こどもであることも守られる必要がある。
そうするとやはり、不登校でもホームスクーリングでもフリースクールでも、こどものあるがままに、だけではなく、ちょっとした大人の介入やファシリテーションは自主性を邪魔するものではなく、自主性を思うように発揮できる環境づくりとして大事な部分ではないでしょうか。
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高校までの勉強は目的によっては2ヶ月くらいで履修可能
高校卒業の資格を取るのであれば、通信制高校なり、普通高への進学は必要だと思います。特にそこにこだわりがなく、大学などで専門性のあることは勉強したいというのであれば高卒認定を取ることになります。
高校を卒業したという証明ではなく、大学を受けれる能力があるという証明のみ必要な場合。
最近は、フリースクール出身や、不登校経験者のロールモデルも増え、高認の知名度も上がってきました。読み書き・掛け算など小学校前半の基礎的なことを勉強したあとの不登校なら、集中力と必要性(自分からやろうという意識)があれば高卒認定の範囲に絞るのであれば短期間で勉強できるでしょう。
普通校に進学したり、通信制高校などで高校の履修内容をきちんと勉強したい場合
高卒認定のためだけに絞った勉強ならともかく、通年の高校に在籍して勉強についていく場合、中学までの土台を取り戻す必要があるかと思います。
勉強がしたくない、という理由というのは意外と不登校やホームスクーラーには少ないと考えていて、どちらかというといじめやその他学校の問題で行かなくなったことで、教科書・勉強など「学校を連想させるもの」から距離を置きたいという心層心理が働きます。
そのため、タブレット学習にしてみるとか、動画やゲームを組み込んだものにしてみるとか、少し学校色の弱いものを試していくことが大事かなと思います。
すららややスタディサプリ などを契約してみたり、有料・無料の教材サイトを探ってみるのもいいかもしれません。
学校は無理していく必要はないけれど、学力は必要
学校はあまりにも、こども主体でなくなっているし、オンラインで誰でも学び、教えられる時代になってきたことで、絶対的なものではなくなってきています。
それは事実で、多様な学びや、体験学習などをメインにした居場所・フリースクールなどが増えていますが、学童期に「机に向かうほうの」学びの楽しさも体験しておくべきだと思うのです。
そして、不登校やホームスクーリングのこどもたちが「社会に出て困るよ」という意味でではなく、学校のなかで苦しみながらじゃなくて外でいいから、基礎学力の部分をきちんとこなしておくということが必要だと思うのは、学びの機会はどういう経路をとっても平等であるべきだと思うから。
学校へ行ったひとだけが高等教育を受けられるのはなく、ホームスクーラーとかに向いている専門的な学問、突き詰め、考えて、自分で答えを出すような「大学」などの高等教育、海外への留学。
そういう選択肢をたくさん持てるように、自分が選べる範囲が広まるように、自分のために基礎学力も勉強したほうがいいということです。
大人になれば気づくこと。でもこども時代にする必要のあること。
おやがちょっとだけ道すじをつけてあげる。
いちから100まで管理したり、「やったの?勉強したの?合格しないわよ」とか監視しよう、というのではなく、こういう道があるよ、とかこんな方法があるよ、とか。
大人の情報網や将来のイメージの具体例を体験させてあげるとか、そのあたりの工夫はしてあげる。
提示する、サポートする。
でも、決定権は本人。
本人がいえば絶対OKという間違った自主性ではなく、家庭として無理なら無理と理由を話す。そのうえで、どうしていくか考える。こどもも大人も。
世の中が学校や友達関係だけではないこと、こども時代にはっきりとわかっていたでしょうか。
世の中に選択肢がたくさんあったって、知らないでいたら、それは「ない」ということと同じ。
大人が先に経験したいろいろから、こんな道もあるよ、と勉強についてもちょっとは口出しすべき、それが結局は「高等教育」や「将来の職業」「やりたいこと」を自由に選択できる幅を広げてくれると思っています。